初心忘れるべからず(透明の自戒)*
原点へ・・・。 ・25 透明「・・・・ふぅ・・・さて 帰りますか」洞窟を出た私を、美しい夕日が迎えてくれる透明「(雪さん・・・私は、あなたの意思を ちゃんと継げていますか まだ、答えは出ていないけど、これだけは ハッキリと言えます 当時のあなたが…
原点へ・・・。 ・24 芦「雪さん世話になったな」雪乃「なに言ってるの世話になったのは 私の方芦さん、本当にお達者で・・・。」 芦「雪さんのこれからの人生を期待しているよ 儂も生きていたら、1年半後にまた来よう」雪乃「くすくすそれじゃぁ~、私も…
原点へ・・・。 ・23 しばらく、根掘り葉掘り聞いてくる芦さんを躱していると・・・。 芦「おお話が長くなってしまったな さてと・・・。」やっと、お帰りか 芦「雪さんあんた、利き手はどっちだ」雪乃「はぁ多分、左だと・・・。」 芦「そうかだったら、…
原点へ・・・。 ・22 私は、手探りで閂を外し戸を開ける「ドンッ 」雪乃「キャッ」外にいた人物は、急に扉の中へ倒れ込むように入ってくる雪乃「ちょ、ちょっと中には」「・・・何だよ姉さん一人か」先程までの弱々しさが嘘のようだ私は、一気に警戒をする…
原点へ・・・。 ・21 それからの私は、色々な噂が独り歩きをはじめ、仕事が次から次へと引っ切り無しの状態となり、毎日が痛みと苦しみとの戦いになっていったしかし、父の「もう少しだけ・・・。」という言葉に励まされたことで、自分が限界までは、頑張…
原点へ・・・。 ・20 兵助「雪乃大丈夫か 」雪乃「・・・うっ・・・うる・さ・い 傷・に・・響く・・・。」兵助「す、すまん・・・」兵助は、いつも仕事が終わった合図を見て私のところへ薬をもって駆けつけてくれた兵助「うっ・・・ひ、ひどい・・・」祟…
原点へ・・・。 ・19 祟りと戦うこと三日目・・・。そこには、凄惨な光景が広がっていた床には、多量の血液・・・内臓が侵食され血管が破け床にのたうち回ること数十回皮膚も焼けただれたようになり、皮がめくれ剥き身の神経に痛みがはしる雪乃「・・・う…
原点へ・・・。 ・18 雪乃「ううっ・・・ (どうしたら、此れ程の恨みを集める ことができるのだろう・・・。)」祟りを身に宿してハッキリとわかることは、この祟りを起こしている人の想いは、100や200の思念ではなく、もっと多く 強く陰惨な想いによ…
原点へ・・・。 ・17 祈祷も終わり、私の身体には祟りが 浸透してきている・・・。雪乃「(・・・こんなにも苦しいものなの この方は、平然としていたけど、 きっと、かなりお辛かったのだろう・・・) 姫様・・・終わりにございます」女性「」立ち上がった…
原点へ・・・。 ・16 それから数日後私の元へ、立派な興しに乗った、 依頼者が到着する・・・。輿から降りたその女性は、私のいる社の前でお付きの者と話しているようだった女性「・・・何と穢らわしい場所よ 本当に、わらわは此処に入らねばならぬのか」…
原点へ・・・。 ・15 禁精呪術医師のもう一つの仕事・・・それは・・・。僧正「・・・雪乃・・・。」雪乃「天岱様、そのままで・・・。」寺院の東にある小さな小屋が私の住まい兼仕事場だここなら、風が吹いて、私の病気が風に乗り周囲に影響を及ぼくこと…
原点へ・・・。 ・14 それから三年・・・私は基本となる修行を終え初めて百薬師としての仕事にのぞむ・・・。その時の驚きと苦しさは、今でも覚えている。禁精呪術医師の仕事は、単純にして過酷なものだった、主な仕事は、病気の人間からその病気を取り出…
原点へ・・・。 ・13 それからというもの・・・私は百薬師になるべく 仏門に入り、日々荒行に追われていた・・・。身体が悲鳴を上げるほどの荒行・・・それでも、百薬師になるためには、必要なことだったこれらの修行では、修行中に亡くなることも多く、こ…
原点へ・・・。 ・12 雪乃「天岱様・・・私は、この村に残りたいと 思っています・・・」僧正「しかし・・・。」雪乃「わかっています村の人たちは、私の占いが 災いを呼び込んだ・・・わかっていたのに そのことを伝えず、村人を犠牲にしたと言う 噂が流…
原点へ・・・。 ・11 あれから一ヶ月・・・私に話しかける者は ほとんど居なくなっていた・・・それと同時に、村には流行り病が流行・・・弱り目に祟り目とはこのことであった・・・。兵助「大丈夫か」雪乃「うん・・・兵助は寝てないんじゃない」兵助「ま…
原点へ・・・。 ・10 数日の時間が流れていた・・・村は、徐々に復興の兆しが見えてきていたしかし、田畑は荒れ、家を失った者、家族を子を、親を失った者の心を回復させるには、 時間が足りなかった失ったモノが多すぎる・・・。子供「おねぇちゃん・・・…
原点へ・・・。 ・9 どれ位、時間が経ったのだろう・・・涙も枯れ果て、呆然としている私のもとにいつも野菜を持ってきてくれたおばさまが 抱きつく村人「雪乃ちゃん」雪乃「おばさま」村人「可哀想に・・・私が変わってあげられたら」おばさまは、私の代わ…
原点へ・・・。 ・8 真っ赤な甲冑を身に着け、大きな刀と 無精髭を携えた大男・・・。その甲冑が日に照らされて気づく真っ赤な甲冑は、今、赤く染められたものだと・・・。 侍「何だぁ~ここは、神社か」神主「立ち去りなさい 」 侍「ああ~」神主「ここは…
原点へ・・・。 ・7 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・ここからの3話は、少し辛いシーンが続きますもし、苦手な方がいらっしゃいましたら3話分を飛ばして「原点へ・10」 から続きを読んでいただけましたら幸いですなるべく、ソフトにはしている…
原点へ・・・。 ・6 「スパン 」村人「おお~~~」「スパン 」村人「また当たった 本当に雪乃は、弓の名手じゃなぁ~」あの祭事から三ヶ月・・・。私は師匠に教わっていた弓の練習に力を入れていた雪乃「(私が、みんなを守るんだ・・・。)」14歳の私には…
原点へ・・・。 ・5 雪乃「兵助」兵助「・・・わ、わかったよ でも、これはあくまでも、俺の考えだから、 わからないけど」雪乃「それでも良いから」兵助「・・・考えられることは、二つ」雪乃「二つ」兵助「ひとつは、獣害」雪乃「」兵助「作物が増えれば…
原点へ・・・。 ・4 師匠「雪乃・・・してどうじゃった」雪乃「・・・・・」神事の占い方法は様々で、この時代の占いは、もっぱら、自然物を媒体にそこに出る相を読み取る 方法が用いられていた・・・。ここでは一年を通して御神体に奉納し、乾燥させた御神…
原点へ・・・。 ・3 雪乃「お師様、準備整っております・・・。」神主「おお神楽舞は最後じゃが、大丈夫か」雪乃「はい滞りなく・・・。」神主「神は降りてこようか」雪乃「はいちゃんとお話させていただきました」神主「よし始めるか」五穀豊穣・・・その…
原点へ・・・。 ・2 「コラ~~~ッ雪乃~~~ また狛犬にイタズラしおって~~~ 」境内に大きな声が響き渡る雪乃「きゃぁ~お師様~ だって~狛犬も喉が乾くでしょ~」師匠「だからって、狛犬の口に、こんなに ギュウギュウに雪を詰め込むやつがあるか~ …
原点へ・・・。 ・1 「ピチョン・・・ピチョン・・・ 」とある山の中・・・私は、年に一度山に籠もっていた時期があるその山には、聖域とされる小さな洞窟があり、洞窟は、外界と切り離された特別な場所でもあったそして、この場所は私にとっても思い出深い…