鑑定ファイル147(鬼人の宴)
鬼人館・43揚羽「ど、ど、ど、ど、どういうことですか~」透明「あははっしてやられたよねぇ~ 鴫さんは、揚羽という素材を見つけて 時間をかけて私達の記憶に少しずつ 情報を与えていたんだよ つまり今回の依頼は、御山からのもの じゃなかったってこと」…
鬼人館・42広間に入ると、何故か・・・透明「土下座~~」土下座で私を待つ鴫さんが 鴫「陽明様・・・この度は本当に本当に 申し訳ありませんでした~」透明「お、おう」ちょっと面食らっている透明先生 鴫「・・・・私は記憶だけの存在ですが、 主人から…
鬼人館・41 鴫「・・・・・まさか、本当に・・・。」透明「鴫さん伊祁さんから話があるようです 私達はあちらに行っていますので、 しっかり話し合ってください」伊祁「・・・・・。」私は、揚羽と六羽を連れてその場を離れる揚羽「大丈夫なのでしょうか」…
鬼人館・40どれくらいの時間が流れただろうか私は伊祁さんの気持ちをくみながら彼の口が開くのを待っていた・・・。伊祁「わ、私は・・・幼い頃から一人でした」透明「」伊祁「私の本当の父親は病を患い、産みの母は どこにいるのかも知りません そんな孤…
鬼人館・39伊祁「うう・・・えっあれ 陽明さん・・・これは一体・・・。」意識が朦朧としてるみたいだ・・・。透明「伊祁さんさっきまでのこと、 覚えていますか」伊祁「さっき・・・ハッ も、申し訳ありませんでした えっ何で、私はあんなことを・・・。…
鬼人館・38透明「喉仏に宿るもの・・・それは、 生きた記憶」揚羽「記憶・・・。」透明「とは言っても 記憶だけでここまで 自由に思考して存在するのは、本来は あり得ないし、かなり難しいこと・・・。 ただ記憶を使って、本当の魂がそこに存在 するかの…
鬼人館・37透明「どうだ」揚羽「大丈夫そうです」透明「そのまま、そっと手を外していって 六羽もゆっくり外に出てきて」揚羽「は、はい」六羽「は~い」六羽と揚羽の手が鴫さんの身体に入ったまま封印を発動してしまうと、六羽も揚羽も一緒に封印してしま…
鬼人館・36六羽「ごしゅじんたまぁ~包んだよ~」透明「ありがとう 今から、外側の鬼の身体を少しいじるから そのまま包んでいて」六羽「は~い」透明「揚羽伊祁さんは今、呪がとけて すぐには動けないだろうから、 そのままにして、こっちに来てくれ」揚…
鬼人館・35鴫さんの頭に置いた私は、式神としての彼の媒体を探す・・・。透明「(・・・やはり・・・。)」媒体を確認した私は、手に霊気を集めそれを一気に打ち出す老人「・・・ありがとう・・・。」鴫さんは、やっと解放されたような表情で私に礼を言い、…
鬼人館・34老人「うううううっ・・・わああああああっ」先ほどとは打って変わって、子どものように手足をバタつかせ抵抗する鴫さん・・・。透明「(感情の暴走・・・処理が追いつかなく なったのかもしれない・・・。)」老人「うわあああああっ」全てにおい…
鬼人館・33伊祁「それはこちらの台詞だ~ 何をしているんだ 父から離れろ~~~」私を襲ったのは、目を血走らせた伊祁さんだった揚羽「何をしているか聞きたいのは こちらです」なんか、鴫さんの確認よりも先に、「おまえ、本当に揚羽か」と聞いてしまいそ…
鬼人館・32当時の伊祁家にとって、式神となった鴫さんの存在は珍しかったのだろう・・・。式神からの申し出を受け、呪術の特性を持つ鴫さんの息子を使い、特殊な式神を宿させてみるこの方法なら伊祁家にデメリットが無いと踏んでなかば実験のように扱った…
鬼人館・31老人「お前は、何を言って」透明「気づいていないのか 伊祁さんは、 あんたの本当の血縁者なんだよ」老人「は、はぁな、なにを」透明「加耶さんと錺が貴方に託した想い それは貴方に自分の子を抱かせてやること だったんだよ」老人「」~・~・…
鬼人館・30老人の叫びに合わせて、黒揚羽が目にも止まらぬ早さで動き出す「グボッ」老人「グエッ」黒揚羽の渾身の右拳が式神執事の腹に突き刺さる老人「ぐううううっ・・・な、なぜだ、黒揚羽」揚羽「隙ありですね~ あっちなみに私は黒揚羽(こくちょう)じ…
鬼人館・29にらみ合いが続く・・・。老人「くくくっ美しい・・・この子は 本当に美しいですなぁ~ ・・・・・・・・・・・・・・・・・ さて、私も忙しい身なので、 そろそろ決断いただけませんか」透明「・・・加耶さん・・・。」老人「ピクッ」やはり・…
鬼人館・28老人「そうですなぁ~私もそろそろ 飽きてきましたし本題に入りましょうか」透明「あなたの目的は、揚羽ですね」揚羽「」老人「ほう何故そう思ったのですかな」透明「六羽は、あなたでは操れないでしょ」揚羽「」透明「六羽は事象から生まれた精…
鬼人館・27私は急いで異形の馬から六羽を取り戻す六羽「はっごしゅじんたまぁ~~~~」透明「六羽大丈夫か」六羽「うん大丈夫~」揚羽「先輩無事で良かったです~~~」六羽「あげは~っありがと~~~う」六羽が揚羽に抱きつく揚羽「はうっ」何故かデレ…
鬼人館・26透明「揚羽私から離れるなよ」揚羽「えっ」透明「さっきから、お前達を媒体に戻そうと しているけど、上手くいかない どうやっているのかは分からないが、 この状態を維持したまま、六羽を 取り返さないといけないのだけど、 アレは、確実に私達…
鬼人館・25透明「・・・では、そろそろ研究の手伝いという 内容をお聞かせいただけますか」老人「くくくっ・・・失礼しました 私の主人は説明が足りない癖がありますから さぞ困惑なさっておいででしょう」透明「そうですね 来てから全て 予想の範囲でしか…
鬼人館・24老人「・・・陽明様・・いつからお気づきに」透明「ラジコンである式神を認識してからです まあ、初めは異形の馬を視てもこの子が ラジコンとは分かりませんでしたが、 ラジコン鬼との交戦中、この馬は 感情を停止していました そこで初めてこの…
鬼人館・23この本を最初に書いたのは鴫さん本人だが、途中から式神である錺の意思が記されているつまり、この本は鴫さんから錺へと受け継がれ書かれたものそしてこの内容は、式神の活用法など実用的な記録から危ない思想の実験記録へと変化している式神に…
鬼人館・外伝3〇月〇日(緑)錺は・・・もう・・・。新しい式神・・・あの人を・・・。肉・爪・髪・・・どれを使えば・・・。あの人を・・・。~・~・~・~・~・~・~・~揚羽「こ、これって」透明「・・・グッな、何だ」揚羽「ご、ご主人」私の目に何…
鬼人館・外伝2明治〇年 春とうとう、完成した式神を無機物に定着させるには、より無機物に近い存在が式神を召喚する必要があるつまり、私が錺を召喚し、その錺が別の式神を召喚するその際、無機物に近い核を持つ錺なら無機物に核を定着させることができるま…
鬼人館・外伝1透明「続きを読んでみよう」揚羽「はい」ここからは、ここに書かれた内容を、物語としてわかりやすく書かせていただきます(現物の書物には所々、研究内容と本題とは 関係のない部分が多く書かれているので 纏めますね・・・。)~・~・~・~…
鬼人館・22「式神と人間の融合」タイトル的にも、かなりヤバイ思想の持ち主が書いたものだということは分かるが・・・。私は恐る恐るその本を開き、読んでみる透明「・・・・・。」これは・・・物語日記そこに書かれた話とは・・・・。~・~・~・~・~…
鬼人館・21ラジコン鬼とは私がまだ小さかった頃、世間でラジコンがブームを起こした時代裏の業界でもこの発想が取り入れられたことがあったらしく、使役した式神に他の術式のみを組み込んだ無機質な人形を操らせるというのが流行ったことがあったらしいそ…
鬼人館・20「は、はなせ~~~っ お、おいらは、強いんだぞ は、離さないと、ど、どうなるか わかってんのか~~~っ」透明「・・・・・・。」揚羽「・・・・・・。」六羽「わぁ~っ可愛い~」揚羽の指につままれたソレは体長・5cmほどの大きさで、その…
鬼人館・19両手の式神がいた部屋にゆっくりと近づく透明「(あれいなくなってる)」私は、恐る恐る部屋に足を踏み入れてみるが、何も起らない・・・。透明「あれれもしかして、他の部屋に行っちゃった」揚羽「ご主人上」透明「」揚羽の言葉に反応し、上をみ…
鬼人館・18透明「さっきの両手の式神は、私一人だと かなり攻略するのが難しい もちろん、能力全開でいけば 話は別だけど この後を考えると それもできないと思う」揚羽「やはり、あれは攻略しなければ駄目ですか」透明「本当は、手荒なことはしたくないん…
鬼人館・17力を溜めきった一蹴りは私の身体を一気に前に押し出すしかし、その方向は透明「揚羽六羽つかまれ」揚羽&六羽「はい」大地を蹴る瞬間私は揚羽達のいる方向へ半回転し、右手に揚羽、左手に六羽、体当たりするように異界の馬を巻き込み、先ほど入…